【デ・ゼルビ】大胆なターンオーバーでも変わらない戦術的引き出しの多さ【第6節SPAL対サッスオーロ】

前節エンポリに快勝したサッスオーロは、この後の過密日程(第7節ミラン戦、第8節ナポリ戦)を考慮して大胆にターンオーバー。エンポリ戦からスタメンが7人も入れ替わった。この規模のクラブで、これほど大胆なターンオーバーを取り入れるのも珍しい。ミラン戦でも、ナポリ戦でも、真剣に勝ちを狙いに行くのだろう。

対するSPALは前節フィオレンティーナに敗れ、好調をキープできず。この後サンプドリア、インテルと試合が続くので、ホームでサッスオーロ相手に勝ち点を稼いでおきたかった。SPALは前節からスタメンはあまり変わらず。しかし、サッスオーロの快進撃を止めることはできなかった。



・擬似カウンター

この日のサッスオーロのシステムは3-4-3。対するSPALは3-5-2なので、必然的に中盤で数的不利になりやすくなる。ただ、もちろんデ・ゼルビにとってそんなことは織り込み済み。前節にフィオレンティーナが見せた偽サイドバックの動きは、SPALの中盤3枚をうまく引き付け、最終ラインと中盤の間のスペースをジェルソンやキエーザが使い続けた。サッスオーロは中盤2人で、SPALの中盤3人を引き付け、その間のスペースにヂュリチッチとボガがポジショニングしていた。

そしてそれをうまく利用して、”擬似カウンター”を発動させた。SPALにとっては、繋いでくるイメージのあるサッスオーロに対して中盤の数的優位でボールを奪い取りたいところだったが、そんな簡単にはやらせず、その相手の強みになる部分を利用するのがデ・ゼルビのサッスオーロだ。

サッスオーロはゴールキーパーから繋ごうという構えを見せる。ここで面白いのは、3バックであったはずのサッスオーロがマルロンをサイドバックの位置まで上げて、アジャポンは高い位置を取り、残りのCBが開く。そして中盤が下りてくることで、SPALの中盤もついてくる。マルロンがサイドバックの位置にいることで、ファレスはマルロンをケア。このように自陣深い位置であえて数的同数をつくったことで、気づけば前線で優位な状況をつくりだしている。コンシーリからババカルの頭を狙ったボールを出し、ババカルがヂュリチッチに落とすと、一気にチャンスというシーンを自分たちで作り出した。

・サッスオーロのプレッシング

攻撃時は自陣で数的優位を作り出しての擬似カウンターを狙っていたサッスオーロだが、守備時は前線からプレスをかけてSPALのミスを誘っていく。

SPALの両脇CBにボールを追い込み、ヴァルディフィオーリにはヂュリッチが付く。すると各ポジションでマンツーマンとなり、最終ラインでひとり余らせることができている。どこにボールが出てきても、激しくあたりボールを奪う、もしくはミスを誘うことができていた。

それでもなかなか先制点のうまれなかったサッスオーロだったが、後半14分にヴァルディフィオーリの横のスペースをボガが使い、ババカルへスルーパス。ババカルが中に入れたボールを押し込んだのはWBのアジャポンだった。アディショナルタイムにマトリのゴールで試合を決めたサッスオーロが勝利して、勝ち点3を手に入れた。

・おわりに

これほどまでに大胆にターンオーバーを取り入れて、今季好調のSPAL相手に勝利したデ・ゼルビのサッスオーロ。戦術的な引き出しが非常に多く、それで結果も出しているのは素晴らしいとしか言いようがない。次節に戦うミランは、スタメンをほぼ固定して、エンポリ戦を引き分けで終わった。そして戦術的な引き出しの多さは、残念ながらいまのところはない。正直、サッスオーロのほうが有利といえる状況だ。ミランは勝たなければいけない状況だが、果たしてどうなるか。