【対決!】4-4-2の鉄壁ハイプレスVS3-4-3のポゼッション【第8節アトレティコ対べティス】

シーズン序盤に躓いていた印象のあったアトレティコは、なんだかんだ3位。ジエゴ・コスタは欠場でカリニッチが初スタメン。レマルが加入したり、スタメン組も控え組も含めて戦力が整っているのがうらやましい。新スタジアムもなかなかかっちょいい。

今季リーガでいちばん試合を観ているのがべティスで、極端なほどポゼッションを重視するスタイルはスペインっぽいしなかなか面白い。昨季まではレアル・マドリードやビジャレアル、セビージャ(モンテッラ就任時)あたりがよく観ていたチームだったけど、レアルとビジャレアルは不調なので残念。べティスもシーズン当初は圧倒的に試合を支配して点が取れない典型的な良くないポゼッションサッカーという感じだったけど、だんだん結果も出てきた。

若干暇になる代表ウィーク中に、普段書けないセリエA以外の試合を書こうと思う。



・アトレティコのプレッシング対べティスのポゼッション

アトレティコはいつも通り4-4-2で、べティスのシステムは3-4-3。アトレティコが2トップであることから最終ラインは3対2なので、ビルドアップを安定させるベースは噛み合わせ上存在している。ただ、いくら最強の守備組織を誇っているアトレティコでもただ単に自陣に引きこもることはしないので、このビルドアップをさせまいとプレッシングをする。ここで面白かったのが、通常4-4-2のサイドハーフの選手がプレスに行くところを、状況に応じてサウールがプレスに行くシーンがあったこと。サウールがプレスに行くときにはロドリゴとコケがしっかりとスライド、レマルが行くときはレマル自身がサイドへのコースをきりながらプレス。アトレティコはべティスに対して時間とスペースを与えないように守っていた。しかし、べティスも一歩も引かず、どんな状況でも繋げのポゼッション信仰の精神でもってアトレティコに立ち向かっていく。

べティスは、アトレティコの守備の基準点を崩すことに挑戦。ここでもとても面白い動きを観ることができた。べティスはもちろんキーパーからでも絶対に繋いでいきたい。しかし3バックに対して、アトレティコは2トップ+レマルで対応。そしたら噛み合わせ的に浮くWBへ出すか、でもどうせすぐにスライドされて時間もスペースを奪われるな・・・。

そうだ!どうせだったらアトレティコの中央を突破してみよう!(!?)

という謎な論理を展開したのかどうかわからないが、実際にべティスはあの中央突破は絶対にさせないアトレティコ相手に、見事に中央レーンのみでぶち抜いていく。

キーパーがボールを持つと、中央のCBバルトラが中盤化。バルトラとグアルダードがボールをもらう動きをみせる。

キーパーからバルトラ→グアルダードと繋ぐ。コケはバルトラからサイドに展開されることを予想していたため、グアルダードへのプレスが遅くなったのでグアルダードはフリーで前を向くことができた。

ゴディンとリュカはそれぞれホアキンとロ・チェルソに気を取られ、中央へのスペースを空けてしまう。グアルダードから裏のスペースへ走るロレンへスルーパスが出て決定機。シュートは外したが、あのアトレティコ相手に3本のパスで、中央のレーンだけで、突破してしまったべティスの攻撃は素晴らしかった。というか、なんか面白かった。

前半はアトレティコの組織的なプレッシング対バルトラの中盤化など様々工夫しながら絶対にボールを持って崩そうとするべティスという展開で、両チーム譲らず0-0で折り返した。

・エンジン全開アトレティコ

後半からサウールとコケのポジションを入れ替えて、前半サウールがやっていた役割をより走ることができるコケにやらせることにしたアトレティコ。そして後半からあからさまにエンジン全開、主導権を握りながら多くの選手が高い位置を取り、前半とは違ってなにか恐ろしい気合いを感じた。実際、後半9分の時点でシメオネはサポーターを煽りまくっていた。べティスは前半ほど繫げなくなっていく。後半12分にはレマルに代えてコレアを投入して、さらに攻撃的になるアトレティコ。それでもなかなか得点が生まれなかったが、後半29分にべティスのボールを奪ってから、カリニッチに代わって入っていたトーマス→コレアの流れであっさりとアトレティコが先制点を奪ってしまった。そこまでの試合展開を考えるとなんともあっさりしすぎていて、ここもなんか面白かった。試合はそのまま終わり、1-0でアトレティコがしっかりと勝ち点3を得た。

・おわりに

今季観ている限りでは、べティスはなかなか面白い。というより、そこそこ良い戦力が整っていて、みんなしっかりと繋ぐことができるのでわりと強い。アトレティコは、カリニッチが僕の好きだったヴィオラ時代のカリニッチに戻っていて、ジエゴ・コスタの控えとしてはかなり良質な選手であることをしっかりと証明していてよかった。この試合を観始めた瞬間に気づいたが「あ、この試合、よりハイレベルなナポリ対サッスオーロじゃん」と思った。3-4-3でポジショナルプレーを採用するスモールクラブ(相対的に)と、4-4-2でハイプレス&ブロックを作って守備を安定させるビッククラブ、という構図がとても似ていて、しかも短期間に続いたのは面白かった。

やっぱり後半のアトレティコ(というよりシメオネが作り出す雰囲気)はとても恐ろしかった。いつだったかガットゥーゾもスタジアムを煽ってすごい雰囲気になったことがあったが、最近はまったく見られなくなった。僕がガットゥーゾに期待していたのは、選手はもちろん、スタジアム全体をも巻き込む恐ろしさみたいなものなのかもしれない。