【デ・ゼルビ】60分の静寂、30分の激闘【セリエA第15節サッスオーロ対フィオレンティーナ】

デ・ゼルビ監督のサッスオーロは基本的に相手の第1プレスの人数に合わせてシステムを変えているので、4-3-3でくるフィオレンティーナには4-3-3を採用。中盤の底から組み立て&縦にパスが出ない問題は、ロカテッリ起用ではなく、どうやらセンシで解決させるようだ。個人的にはハーフスペースの攻略者としてのセンシが好きなので残念な気持ちもあるが、そこは仕方ない。前節ウディネーゼ戦と同じスタメンで挑んでいるのが新鮮だ。コッパ・イタリアのカターニャ戦で大幅なターンオーバーを用いて勝利したサッスオーロは、リーグ戦直近8試合で1勝4分3敗と勝てない状況をなんとか打破したいところ。

一方フィオレンティーナも直近8試合で1勝5分2敗と、勝てない時期が続いており、リーグ戦の順位も悪い。シメオネのいまいちはじけてない感と、ピアツァの期待外れの出来もあって、最後の崩しの形が全く見えてこない。キエーザでなんとか持ちこたえてはいるが、チーム状況はかなり悪く、ピオリ監督解任の噂も。

この試合、低調なチーム同士ということもあって、前半から決め手に欠く試合感満載だったが、最後30分間は激動の展開となった。



・対照的なサッスオーロとフィオレンティーナ

同じ4-3-3を使用しているチーム同士の対戦だが、その出来は対照的だった。フィオレンティーナは前から積極的に奪いに行きたいのだが、そのプレスはチームとして連動しておらず、完成度はかなり低い。

流れの中からヴェレトゥはセンシを経由させまいと前進。しかしベナッシとフェルナンデスはバラバラなポジショニング。ぽっかりと空いた中盤にブラビアが入ると、ビルドアップ能力に長けたマルロンはしっかりとブラビアへ渡してビルドアップ完了。

ブロックを作って守ろうにもかなりバランスの悪い4-1-4-1気味になっているフィオレンティーナは、ヴェレトゥの横のスペースががら空き。サイドバックを経由してくるサッスオーロの攻撃にはヴェレトゥひとりがスライド。バイタルエリアががら空きになる。フィオレンティーナのディフェンスはなにもうまくいっておらず、さすがにひどい出来だ。1~2か月前のミランを観ているようだった。

フィオレンティーナのビルドアップは最終ライン+ヴェレトゥのみで行われる。サッスオーロは状況に応じてインサイドハーフが前に出ていくが、ある程度チームで連動している。サッスオーロもわりと危機管理能力が不足している前プレをするチームだが、4-3-3を使用したここ最近の試合ではしっかりと4-1-4-1で守るシーンが見られるようになってきた。

前半はフィオレンティーナが悪すぎて、こちらも低調なはずのサッスオーロがかなり良く見えてしまうような展開だった。しかしサッスオーロもおなじみである最後の崩しと決定力の不足で点が入らず。試合自体も退屈なものだった。

・激動の30分間

前半は静かな展開だったが、フィオレンティーナは後半からキエーザやシメオネを投入。しかし特に展開が変わることもなく、後半17分にはダンカンの素晴らしいゴールでようやくサッスオーロが先制した。

後半22分にはサッスオーロが高い位置で奪ってから、そのままの流れで追加点。先制点を取ったダンカンは、今度はアシストで貢献。

2点リードに変わったことで、集中力が切れ始めたサッスオーロのディフェンスは、前半はほとんどなかったのにフィオレンティーナにスペースを与えすぎてしまい、一点返されてしまう。残念な失点。

フィオレンティーナはジェルソンに代えてミララス。サッスオーロはディ・フランチェスコに代えてジュリチッチ、そしてブラビアに代えてマニャネッリを投入することで試合に落ち着きを取り戻そうとした。ただ交代直後にセンシの素晴らしいシュートが決まって、もう一度2点差とした。

ババカルに代えてマトリを入れ、あとはもう逃げ切るだけという状態だったが、後半41分にジュリチッチがファウルとそれに対する抗議でイエローカード2枚をもらい退場。また一気に試合展開がわからなくなったところで、これもまたサッスオーロおなじみのクロス対応の悪さが出て再び1点差に。

アディショナルタイムは7分表示で、これはまだなにかあるなと思った矢先にフィオレンティーナのミレンコヴィッチが退場。これでさすがに終わりかと思いきや、あとはもう逃げ切るだけのサッスオーロだったが、カウンターの機会にCBであるマルロンが全力で前線へと駆け上がってしまい、ボールロスト後にミララスに決められて結局3-3の同点に。あまりにも静かだった60分間とは対照的に、残り30分間で合計6ゴール、退場者2名を出す大荒れな試合となった。

・おわりに

残り30分間の試合展開は確かにハラハラして面白かったが、戦術的にどうこうという話ではなかった。サッスオーロは試合の終わらせ方が絶望的に下手くそだ。フィオレンティーナも追いつきはしたが、残念な内容だったことは変わらず。両チームともまた勝てずに不満の残る試合だっただろう。サッスオーロは年内はフロジノーネ、トリノ、ローマ、アタランタとフロジノーネ以外は厳しい試合になるので、次節はなんとしてでも勝ちが欲しいところ。フィオレンティーナはエンポリ、ミラン、パルマ、ジェノアとなっており、こちらも次節勝利して勢いをつけたいところだ。